人とうまく馴染めない、他人が怖い、空気が読めない。成人の発達障害(ASD、ADHD)ではないかとお悩みの方向けの外来です。心理検査や支援グループによって、悩みのひとつひとつに寄り添います。
成人の発達障害にはアスペルガー症候群(ASD)、ADHD(注意欠陥多動性障害)、その他PDD-NOS(特定不能の広汎性発達障害)等があります。人口の1%~5%が、何らかの発達障害およびその傾向を持つと言われています。
これらの中でもアスペルガー症候群の方などは知的障害を伴わず、学習面で高い能力を有する方もおられます。しかし、正しい診断を受けていないために病気に気付かず、そうした病気の特性が原因で、職場で対人関係等から不適応を起こす方は少なくなく、社会的関心も高くなっています。
- 他人への関心が乏しい、人との関わりや人の気持ちを理解するのが苦手、表情が乏しいなど
- 冗談や比喩が理解できない、話し言葉が独特、他者と会話が成り立ちにくい、場や表情を読むのが苦手など
- 抽象的な事柄をイメージしたり理解するのが困難
- 音や臭い、痛みなどの感覚が過敏あるいは鈍感
- 計算力や記憶力など特異な能力が突出するなど、アンバランス
- 不注意 集中して話が聞けない、金銭管理ができない、約束や物を忘れてしまう、ケアレスミスが多いなど
- 多動性 お喋りが止まらない、自分のことばかり喋る、落ちつかない、身体の一部を動かすなど
- 衝動性 不用意な発言をする、思いつきをすぐに言動に移す、衝動買いをする、些細なことで叱責するなど
当院では一定以上の就業能力を有しているものの、発達障害の特性によって職場で不適応となり、二次障害として気分障害や不安障害の症状を呈し、休職や失職に至ってしまったADHDやアスペルガー症候群(ASD)などの軽度成人発達障害の方を主な対象として診療いたします。
- 相手の気持ちがわからない(仲の良い友人が作れない、少ない)
- コミュニケーションが苦手である(言葉の意味を取り違える、文字通り捉えがち)
- 考え方が柔軟でない(暗黙の了解がわからない、融通がきかない)
- 独特の思考・行動様式(特定なことにのみ興味を持つ)
- 注意が持続しない(特定なものにだけ注意が向かう)
- 感覚の感受性が特別である(音や臭い、痛み等の感覚に関して、敏感だったり鈍感だったりする)
- 衝撃性が高い(自己抑制が苦手)
現在、発達障害そのものを治療することは困難です。なぜなら発症のメカニズムもわかっておらず、薬物療法もあまり有効なものがありません。そのため発達障害の治療においてはご本人やご家族、職場の方など周囲の方がその人の発達特性を理解し、正しく対応することで、生活上の悪循環を断ち切り、状況を改善していくことが大切です。
発達障害の子どもを対象としたプログラムは複数あり、同じ障害を持つ仲間と共に学校生活や社会適応を促す治療がおこなわれており、効果を発揮しています。しかし成人に対するリハビリテーションは昭和大学烏山病院など、全国的にも数か所しかおこなわれておらず、就業されているビジネスパーソンのみを対象とした、より高機能の発達障害の方のためのリハビリテーションプログラムは全国的にもほとんどありません。
そこで当院では、対人関係やコミュニケーションなどのライフスキルを身につけ、生きづらさの軽減や就労継続を目指す、当院に通院中の発達障害の方を対象とする全12回のサポートプログラム『HAG(Hiker Autism support Group)』を週1回開始しています。
いずれのリハビリテーションプログラムも、当院に通院中の患者様のみを対象としております。参加をご希望の場合は、まずは成人の発達障害外来のご予約をお取り下さい。
以下の1~3に該当する方
- 成人の方(16才以上)
- 発達障害が疑われ、これまでに自閉症や自閉症スペクトラム障害等の診断を受けたことがない方
- 成人の発達障害サポートグループ(HAG)に参加を希望される方
- 健康保険証
- 成人の発達障害外来用問診票 ⇒プリントアウトしてお持ち下さい(準備中)
- 紹介状(可能であれば)
- 服用中のお薬の薬剤情報提供書
- 受給者票もしくは申請手続きの控え