cocoonスタッフののりっぺです。
9月の話になりますが、砂浴に行ってきました。
その少し前に友人が体験してきたのですが、「砂と自分の体の境目が曖昧になり、ぼんやりして眠ってしまう」とか「デトックス効果が高く、婦人病にもいいらしい」とか。私自身いろいろ気になるお年頃w この夏はなんとなく忙しかったので自分へのご褒美をかねて、そして何より、アイソレーションタンクに相通じるものがあるのでは?という興味からです。
場所は徳島県、鳴門にあるナマステゲストハウス。
オフィシャルサイトはありませんが、いろいろな方がブログ等に体験談や連絡先まで詳しく書いてくれています。(おかげで宣伝する必要が無いそうですw)私もそれらを読んで予習。通常は8時間で1セット。毒素が体から出ようとする時に皮膚近くで痒みとなるため人によっては全身痒くて途中でリタイヤする人もいるそうです。むむ!なかなか苦行かもしれない。
体験できるのは気温の高い夏のみ。通常は何泊かしつつ数セット体験して行くようですが、私は時間が取れず日帰りで。今季はもう予約が取れないという噂も耳にしましたが、だめもとで電話してみたらあっさりOK。ただ、台風の影響で天候が不安定だったため、行く前日の夜にもう一度電話をして最終決定となりました。
「明日は気温も平年通りに戻るようです。9時頃から始めて17時終了な感じでどうでしょう?食事はされますか?終わった後仮眠していってもいいですよ、うちは時間は何時でもかまいませんから」噂に聞いて気になっていた食事は宿泊しないと食べられないと思っていたので2つ返事。砂浴の後は気だるくなるという。自分の運転で行くつもりだったので、休憩も素直に甘える事にした。
岡山から車で瀬戸大橋を渡り、高速で2時間半ほどで到着。畑の中にある普通の民家。誰かのブログで見た白い犬がブログの写真そのままに塀の上からワンワン吠えてお出迎え。おかげですぐにここだとわかる。
さっそく身支度。身に付けているものは全て外し全裸になります。用意されていたパレオの中から好きなのを選び体に巻くと、熱いお茶をいただいて一息。そしてすぐにビーチへ出発。遠くに鳴門大橋が見えるポイント。なんとこの日の体験者は私1人!
一握り砂をさらさらと指の隙間から落として見せながら「ほら、細やかでシルキーな砂でしょう。こうでないと異物感を感じてしまうんです。いろいろ探してここを見つけたんです」その後スコップでザクザクと私がこれから埋まるための穴を掘り始めました。「あ、なんかこれから私死ぬみたいですね」「そうですね、墓穴掘りとかよく言われます」
仰向けにまっすぐ寝るのかと思いきや、それだと埋まって1時間も耐えられないということで、実際にはリクライニングシートを倒したような角度で埋めてくれます。掘られた穴に入り角度チェック。よければパレオをほどき、胸と股間に自分で砂をかけて覆います。それまで番人は少し離れたところに待機、パレオをぽんと横に投げたのを合図に戻って来て、続きを埋めてくれます。股関節は弛め脚は若干開きぎみ、膝は軽く折った状態。(タンクの中で脱力した時もそうですね)両腕は肘掛に置くような形で、首の角度など、違和感が無いよう細かく位置を整えてくれます。一度埋まると身動きが取れなくなるので、ここが肝心要でしょう。この体勢は砂浴を知り尽くしていないと難しそう。頭には農作業の女性が被るようなサンバイザーと頭巾が一緒になったような帽子を被ります。さらにパラソルで顔に直射日光が当たらないように。この日は風も強かったので、すっぽりシェルターのように覆ってくれました。
砂の重みにちょっと驚いていると、「はじめ心臓の鼓動が全身で脈打つ感じになりますが、それも一過性のものですからね。」とすでに全身がどきんどきんしていました。
私がcocoonスタッフをしている事を話したので、しばしアイソレーションタンクについてお喋り。タンクでは完全に脱力できたあたりで、まるで身体がゼリーの具にでもなったかのように、カチッとホールドされたような感覚になり、そのへんで身体と水の境目が曖昧になりぼんやりまどろみの世界に入って行く感じがあります。砂の場合はホールド力が高くがっちりと固められる感じ。なので埋めてもらう角度は重要だと思います。始めは圧迫感に驚きますが、委ねてしまえば同じ境地へ・・・?
そのうち話すのも面倒になってきたあたりで「うん、あなた大丈夫そうだね。しばらくしたら様子見に戻りますね」と1人に。そこからは寝ていたのか起きてきたのか・・・
次に番人が戻って来た時にはすでに2時間が経っていました。「剣山の麓で汲んできた湧き水です」と水分の補給。浸み渡るようにスーッと入ってくるおいしい水。ペットボトルを口元までもってきてくれ、こぼれれば拭いてくれます。乱れた髪の毛も顔にかかって痒くなってはと直してくれます。こちらは身動きがとれないので仕方ないですが、全部やってくれるというのは気分がいいですね。まるで介護ですけどw
砂に埋まったままおしっこを出すと排毒効果が高いという事で積極的に水を飲みました。はじめの1回さえ出てしまえば、コツをつかんで楽に出せるそうですが、しかしこれがどうしたものか、全身の力を振り絞ってみても、リラックスさせ出るイメージをしてみても、どうにも出ない!
そうやっていきんだりしているうちに体勢が狂ったのか?2クール目途中で右ひざの頭だけ地面に出てしまい、それが気になって意識ははっきりしたまま。右腕だけ地面から出して砂をかけようとしてみたけどうまく行かず、一度出した腕は自力で埋まる事はできないので、不格好になってしまったと思いつつ、それ以上砂から露出してしまってもいけないと諦めて待っていると「スタートから4時間経過しましたよ」と番人が戻ってきた。
また水を飲み、埋め直してもらうついでに足先と腕に温かい砂を入れてもらいさらに快適になったところで3クール目へ。日も傾き始め、風も強くなってきたので砂が飛ばされ、また右膝小僧が露出。一番砂の重みがかかるお尻が痺れが気になったり、どうも落ち着かない。こうしながらも体からはデトックスされているのだからと自分に言い聞かせつつ、じっとしている事が苦痛になってきた。
動きたいという衝動に駆られ、迷いながらも「もういいや」と決心。砂から抜け出した時の開放感!風がちょっと肌寒い。パレオを体にかけて仰向けに寝転んでいると、そこから10分もしないうちに番人は戻ってきました。ほぼ6時間埋まっていたようです。排尿は諦めつつもチャレンジを繰り返してみたが結局出せずじまい。これも砂浴のうちの1つと聞いていたので、ちょっと敗北感ですw
宿に戻ってシャワーを浴び身支度を整え終わったところで、楽しみにしていた食事。しかし番人は「ちょっと娘を迎えに行かなくてはいけないので出ますけど、帰るのに2時間くらいかかりそうなんで、ゆっくりしててもいいし、適当なところで帰ってしまっていいですからね」と去ろうとするので、「じゃ、今払います」と本日の代金を支払い、始めて来た家で1人でご飯を食べる不思議を味わう。
煎り玄米のお粥と、野菜と豆腐、油揚げなど植物性の体への負担も少なさそうな優しい味。私は料理は好きですが、こうやって人に作ってもらうのを食べるのが久しぶりのような気がして、じんわり。アジアのバックパッカーズといった風情の室内。掃除が行き届いて小奇麗にしてあり、肩ひじ張らない心づくしを感じてすっきりと嬉しい気分になりました。
幸運の象徴Geckoも窓に張り付いていましたw
砂浴から2〜3日は体から毒素がガスとなって出るので臭くなるそうです。私はそれは実感できませんでしたが、体の数カ所に虫さされあとのようにポツリと赤くなって痒いのが出ました。これも排毒されている証拠という事でした。この砂浴は自然療法の大家、東城百合子さんという方の考えに基づくものだそうです。「これぞリアルグラウンディング」と番人も言っていましたがw
大地にぎゅーっと抱きしめられる体験。興味がありましたら検索してみてください。