月経前緊張症候群(Premenstrual Syndrome:PMS)とは
月経が始まる1~2週間ぐらい前から起こる、イライラ、腹痛、眠気、頭痛などのさまざまな不快症状のことです。月経開始とともに消失する周期性の精神的、肉体的症状です。PMSには、排卵後の女性ホルモンの変化が関係していると考えられており、多くの女性が悩んでいます。
これらの身体的な症状や精神的な症状は単に本人がつらいだけでなく、社会的なトラブルも発生する原因になる事があります。PMSのため抑うつ感がひどく、仕事に行けなくなったり、ひきこもりがちになることがあります。また身近な家族、例えば母親や夫にあたりちらしたり、口論したり、暴言をはいたりすることもあります。
周囲もイライラしていると非常に気を使うものですが、PMSで悩んでいるご本人が自分の感情をコントロール出来ないことに一番悩んでいるものです。PMSを治療する上で大切なポイントの一つは、患者さん御自身がPMSのことをよく知るということです。
治療
患者さん自身を悩ませていたいろいろな症状が月経の1~2週間前から始まり、月経の開始とともに軽減、消失するという事実を見きわめ、決して過剰に思い込まないことです。これらの症状がPMSであると自ら認知するだけでも安心できます。
原因として女性のホルモンバランスの変化に伴う、脳内のセロトニン量の低下から生じることが考えられています。SSRIという抗うつ薬や、イライラ感を抑える抗不安薬が効果的であることが多くあります。漢方薬も効果があります。また当院ではプラセンタ療法を併用することで、身体的な不快感も軽減が可能です。カウンセリングや精神療法も同時に行います。是非一度ご相談ください。